カイワレダイコン(Raphanus sativus L.)子葉のエチレン誘導脱緑に及ぼす阻害剤の影響
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概要
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暗所下でのカイワレダイコン子葉のエチレン誘導脱緑について,エチレン作用を阻害剤で抑制し,クロロフィル代謝率の減少を示すことで検討した.子葉の脱緑の阻害は,幼植物体の子葉をシクロヘキシミド,アクチノマイシンD,硝酸銀(AgNO_3),チオ硫酸銀(STS)さらにアリルイソチオシアネート(AITC)などの処理で観察されたものの,クロラムフェニコール(クロロプラストRNA合成阻害剤)では観察されなかった.さらに,緑色の保持とクロロフィル分解酵素活性との間には,高い負の相関関係が得られた:Y=-11.85X+64.27, P<0.001 (r^2=0.995)(ただしXは相対的クロロフィルa分解活性,Yは緑色値である).この結果は,エチレンがクロロフィルを分解する酵素タンパク質を新たに誘導することによりカイワレダイコン子葉の脱緑過程を進行させることを示している.クロロフィル分解酵素の活性に対するAITCの直接の阻害は,子葉のエチレン誘導脱緑を完全に抑制できる濃度のレベルでは観察されなかった.これらの調査結果は,AITCはカイワレダイコン子葉中でクロロフィルを分解する酵素タンパク質誘導の阻害剤として作用していることを示唆する.
- 1998-11-15
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