マウス寄生Eimeria krijgsmanniの生活史(寄生虫病学)
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概要
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自然感染マウスから分離したEimeria krijgsmanniと考えられるコクシジウムの生活史を調べた.コクシジウムは単一オーシスト法で純化し,マウスで継体後に供試した.スポロゾイト形成オーシストは卵形または長円形で,19.3×14.8μmであった.1〜2個の小さなpolar granuleが存在したが,micropyleとオーシスト残体は認められなかった.スポロシストは11.6×7.28μmで長円形を呈し,小さなStieda bodyとスポロシスト残体が認められた.6群各5匹のマウスに2.0×10^1から10^6個のオーシストを経口投与した結果,7日目からオーシストを排泄し,OPG値の最高は8日目に10^6個台を示した.排泄期間は6または7日だった.このコクシジウムは病原性が強く,10^6個のオーシストを経口投与したマウスは翌日から食欲不振,下痢および被毛粗剛を呈し,3日目に全例死亡した.10^3個またはそれ以上のオーシストを経口投与したマウスでは上記症状が5日目から出現し,10^5個投与マウスでは5頭中4頭が9〜10日目に死亡した.原虫はマウスの盲腸,結腸,直腸の粘膜上皮細胞に寄生していた.スポロゾイトは1〜2日目に認められ,2個の大きなrefractile bodyが核の両サイドに存在した.メロゾイトは24時間後に,有性生殖体は4日目に最初に検出された.原虫は小腸と腸管膜リンパ節からは全く検出されなかった.
- 2006-04-25
著者
-
今井 壮一
日本獣医生命科学大学獣医寄生虫学教室
-
今井 壮一
日本獣医畜産大学獣医寄生虫学教室
-
森田 達志
日本獣医畜産大学獣医寄生虫学教室
-
今井 壮一
日本獣医畜産大学寄生虫学教室
-
今井 壮一
日本獣医生命科学大学獣医学部獣医寄生虫学教室
-
藤野 隆志
杏林大学医学部微生物学教室
-
小林 富美恵
杏林大学医学部熱帯病・寄生虫学教室
-
松井 利博
杏林大学医学部寄生虫学教室
-
辻 守康
杏林大学医学部熱帯病・寄生虫学
-
辻 守康
杏林大・寄生虫学
-
藤野 隆志
杏林大学医学部感染症学講座
-
森田 達志
日本獣医生命科学大学獣医寄生虫学教室
-
小林 富美恵
杏林大学医学部感染症学講座
-
小林 富美恵
杏林大学医学部感染症学講座(寄生虫学)
-
今井 壮一
日本獣医畜産大
-
今井 壮一
日本獣医畜産大 獣医畜産
-
Imai S
Nippon Veterinary And Animal Sci. Univ. Tokyo Jpn
-
今井 壮一
日本獣医畜産大学
-
松井 利博
Nippon Veterinary And Animal Sci. Univ. Tokyo Jpn
-
Tsuji M
Kyorin Univ. School Of Medicine Tokyo Jpn
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