成長期ラットの長期亜鉛無添加食餌投与の影響

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ウィスター系ラット(初体重約90g)に亜鉛添加食餌(21.1ppmZn;DZ(+)群)あるいは亜鉛無添加食餌(1.1ppmZn;DZ(-)群)を投与し,Zn欠乏食給与日数が成長に及ぼす関係を知るため,飼育日数を3週間と8週間に分け試験した。その結果,いずれの飼育期間でもDZ(-)群では体重に差がなく,対照のDZ(+)群に比べ,3週間飼育で約1/10,8週間飼育で約1/16の体重増加しか示さなかった。臓器重量はいずれもDZ(一)群で低値を示したが,腎臓と副腎重量比は高値を示した。血清Zn量はDZ(+)群では3週間飼育で高値を示し,8週間飼育では1/2量に減少したが,ZD(一)群では飼育期間での差はみられなかった。アルカリホスファターゼ活性にも同様の傾向がみられた。総タンパク質量は,8週間飼育のDZ(-)群で低値を示したが,A/G比は3週間飼育時と有意差は認められず,3・8週間飼育のDZ(+)群より高値を示した。クレアチンホスホキナーゼ活性は3週間飼育のDZ(+)群で高値を示したが,3および8週間飼育DZ(-)群と8週間飼育のDZ(+)群の間では有意な差は認められなかった。組織学的検索において,DZ(-)群ではDZ(+)群に比べ,肝臓の細胞核周囲に適度な脂肪を有していないため,類洞が太く観察された。腎臓では,DZ(-)群の腎臓自体および腎正体が,DZ(+)群よりも小形であった。肝臓,腎臓ともに飼育期間による違いは観察されなかった。以上のことから,食物由来亜鉛欠乏に関する実験を行うには,3週間飼育で十分な成績が得られると考えられた。
日本獣医生命科学大学の論文
2006-12-01

成長期ラットの長期亜鉛無添加食餌投与の影響

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