道央の露地野菜畑における窒素環境容量からみた超過窒素量と浸透水中の硝酸性窒素濃度との関係(日本土壌肥料学会2005年度大会プログラム)

概要

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地下水の硝酸汚染を防止するための農耕地への窒素投入量の上限を論ずるうえで,窒素環境容量の持つ意義を明らかにすることを目的とし,露地野菜畑圃場において窒素環境容量からみた超過窒素量と浸透水中の硝酸性窒素濃度との関係を検討した。1)圃場における窒素収支がプラスの大きな値を示す場合,浸透水中の硝酸性窒素濃度は環境基準(10mg L^<-1>)を超える高い値を示し,逆にマイナスでは低い値で推移した。2)浸透水中の年平均硝酸性窒素濃度は,窒素投入量が概ね150kg ha^<-1>を上回ると10mg L^<-1>を上回る傾向にあったが,作物による窒素吸収量の違いや前作による影響を無視できなかった。3)浸透水中の年平均硝酸性窒素濃度を環境基準(10mg L^<-1>)以下に維持するための窒素投入量の上限は,次式で求められる窒素環境容量により概ね評価できた。窒素環境容量=作物による窒素持出量+余剰水量からみた硝酸性窒素の残存許容量しかし,最高濃度でみると窒素投入量が窒素環境容量を下回る場合でも10mg L^<-1>を超えることが多く,土壌の違いによる差も認められた。4)品質や収量を維持するため,窒素環境容量を上回る施肥を必要とする作物では,窒素環境容量を複数年のサイクルで考え,作付体系に窒素持出量の多い作物や深根性の作物を導入することが有効であった。以上のことから,浸透水の年平均硝酸性窒素濃度を環境基準(10mg L^<-1>)以下に維持するための窒素投入量の上限は窒素環境容量によって評価することが概ね妥当であると判断された。
社団法人日本土壌肥料学会の論文
2005-08-05

道央の露地野菜畑における窒素環境容量からみた超過窒素量と浸透水中の硝酸性窒素濃度との関係(日本土壌肥料学会2005年度大会プログラム)

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