個人情報保護を考慮した電子文書公開システム(社会・人間系の情報システム,<特集>新たな適用領域を切り開く情報システム)

概要

論文の詳細を見る
2005年4月に施行された通称"電子文書法"によって,元々紙で作成されていた帳票などの書類を電子化した画像データも公式な書類として認められるようになった.これら電子文書に対しては,"だれによって作成されたか","改竄されていないか"といった事項を確認するため,電子署名を使用することなどが各省庁のガイドラインによって定められている.ところで,電子文書法と同時期に成立した個人情報保護法では,個人情報の取扱いを厳格に行うことを定めており,これら電子化された書類を第3者に公開する場合には,名前などの個人情報は削除(墨塗り)するなどの処理を行う必要がある.しかしながら,従来の電子署名技術では,このような墨塗りされた電子文書の検証を行うことができない.これを解決する署名方式として,電子文書墨塗り技術が提案されている.本論文では,電子文書墨塗り技術を用い,紙文書を電子化した画像データに対し,個人情報保護の観点からの墨塗りを考慮した電子文書公開システムを提案する.また,標準的な画像ファイルフォーマットであるJPEGファイルに対し,電子文書墨塗り技術適用時の問題点とその解決方法について示し,墨塗りに対応した電子署名の実装とその実験結果について報告する.
社団法人情報処理学会の論文
2006-03-15

個人情報保護を考慮した電子文書公開システム(社会・人間系の情報システム,<特集>新たな適用領域を切り開く情報システム)

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク