朝食からみた大学生の食行動
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
大学生の朝食の実態を把握する目的で、山口大学学生を対象にアンケート調査を行い、以下のような結果を得た。1)山口大学学生の起床時刻は平日では7時台が多く、休日はより遅い傾向にあった。また、就寝時刻では0時〜2時が多かった。2)17時以降アルバイトをしている学生は4割であった。外食(市販の弁当などの利用を含む)の利用頻度は、7割の学生が週1回以上外食を利用していた。3)朝食を食べる習慣のある学生は約6割であり、4分の1の学生に欠食傾向があった。朝食を食べない理由は、「時間がない」「面倒くさい」であった。4)6割の学生は起きて20分以内に朝食を食べ始めていた。また、朝食摂取時間は20分以内で済ませるものが9割であった。朝食の内容は、「パンを食べる」ついで「ご飯を食べる」であった。5)朝食を約半数が作っていなかった。作らない理由は、「作る時間がない」「店で買った物を食べる」「面倒くさい」であった。6)朝食を外食で済ませたことがある学生は、4分の1で、「半年に2〜3回」がそのうちの半数であった。場所はファミリーレストランが最も多く、和食が半数を占めていた。朝食を外食する理由は、「作るのが面倒くさいから」が多かった。今後、朝食の外食が増える可能性がある。7)平日早く起きる学生は、休日の起床時間も早く、平日の就寝時間が早い傾向があった。平日早起きの学生は、起床から朝食までの時間、朝食摂取時間が長く、朝食を料理する学生が多かった。朝食にかける時間が短い学生ほど作らない学生が多かった。8)自宅の学生は、平日早起きが多く、朝食を毎日食べている学生が多かった。9)アルバイトの回数が増えると就寝時刻が遅くなる傾向があった。アルバイトをしている学生の方がしていない学生より朝食を食べていない。10)学年別にみると、高学年になるにつれ、平日の起床時刻、休日の起床時刻、平日の就寝時刻が遅くなっていた。1年生では、朝食を「毎日食べる」が5割であったが、学年があがるにつれてその比率が減少し、「ほとんど食べない」が増加した。また、朝食を作らない学生も増加した。朝食の外食は、学年が上がるに従い増加した。11)理想の朝食を和食と答えた学生が多かった。品数は2〜4品が多かった。食生活の問題点として、朝食、栄養、食生活に関する内容があげられていた。12)朝食を食べるためには、まず早起きの習慣をつけることが必要である。高学年になるほど欠食率の増加、外食への依存が高まることから、「食べること」の意識を改めて問い直すための総合的な食教育が必要と考える。
- 山口大学の論文
- 2003-12-20
著者
関連論文
- 煮干しだしと煮干し風味の風味調味料だしに含まれる遊離アミノ酸とその類縁体および核酸関連物質の組成の違い
- 生協食堂の利用からみた大学生の食生活
- 山口県の豆類・いも類を用いた料理とその地域性
- 大学生の朝食欠食に関する調査
- 比較食文化史年表に関する諸問題
- 災害時のメニュー開発 : 中国・四国支部報告(クッキングルーム)
- アボリジニの食事と栄養 : マニングリダ・マーケットの調査
- 小学校教員の児童生活把握状況と家庭科観(第2報) : 小学校教員の家庭科観
- 小学校教員の児童生活把握状況と家庭科観(第1報) : 小学校教員の児童生活把握状況
- 山口県の郷土料理「角ずし」の伝承について : 平成5年山口県東部地方在住の主婦の調査から
- 中国古典料理への誘い--『斉民要術(せいみんようじゅつ)』から「芋子酸〔カク〕法(うしさんかくほう)」と「膏環(こうかん)」の作り方
- くっきんぐるうむ 山口県の芋と豆
- 歴史資料のGIS化とその展望 : 藩政期地誌書『防長風土注進案』を例として
- 教養としての調理学を : VII. 私の考える調理学 : 未来の展望,提言を含む
- 山口県におけるすしの喫食状況とそのイメ-ジ--郷土料理「角ずし」との比較
- 天保期長州藩における食料と栄養 :『防長風土注進案』の分析を通じて
- 『防長風土注進案』による19世紀中葉長州藩における水産物の計量的研究
- 小学校家庭科の指導内容からみた教師のタイプについて
- 調理済み・半調理済み食品の利用とそのイメ-ジ--大阪・広島・山口に在住する学生の家族の調査
- 朝食からみた大学生の食行動
- 『防長風土注進案』による19世紀長州藩の食用農産物の計量的研究
- 大学生の米の利用に関する調査
- 大学生の飲み物に関する調査--飲み物の種類と時間帯の分析
- 「古代人の知恵に挑戦! 古代のお米をつくってみよう 6」に参加して : 山口大学公開授業より(教材研究)