一般内科医向きの排尿障害重症度評価基準

概要

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(目的)一般内科医向きの排尿障害重症度評価基準の有効性を検討する.(対象と方法)下部尿路症状を有し,3つの病院の泌尿器科を受診した194人を対象とした.国際前立腺症状スコア(I-PSS),国際尿失禁会議質問票(ICIQ-SF)の回答,排尿記録の記載,尿流測定,残尿測定のすべてが行われた177人の排尿障害に関する総合的重症度を,一般内科医向きに作成した評価基準をもとに,軽症,中等症,重症の3段階に判定した.この総合的重症度と泌尿器科医の診断,治療との関連を検討した.(結果)重症と判定された70例すべて(100%)と中等症と判定された72例中68例(94%)は,泌尿器科医によって何らかの排尿の問題があると診断された.また,重症の68例(97%)と中等症の64例(89%)は,水分制限,行動療法,薬物治療などで治療されていた.軽症の35例中17例(49%)が正常の排尿であると判断された.軽症例でも8例(23%)で水分制限が,15例(43%)で薬物治療が行われていた.(結論)この研究により,一般内科医向きの排尿障害重症度評価基準が高齢者の下部尿路症状を治療した方がよいかどうかの判定に有用であることがわかった.今後,一般内科医の行う診療においてその有用性の検討を行う必要がある.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
2006-03-20