原発性膀胱尿管逆流症に対する内視鏡下三角部形成術II

元データ 2006-03-20 社団法人日本泌尿器科学会

概要

(目的)われわれは,内視鏡的三角部形成術に代わる低侵襲性逆流防止手術として2000年に折笠法を内視鏡手術にアレンジした内視鏡的三角部形成術II(ET II)を開発した.この手技と治療成績を報告しその有用性を検討した.(対象と方法)2000年5月より2002年8月まで,成人9例(18〜64歳,平均34.1歳)と小児(5〜14歳,平均9.3歳)の6例に施行した.全例女性で逆流は23尿管であった.逆流のグレードは国際分類でI:5,II:2,III:14,IV:2尿管であった.手術手技は膀胱内に2本の5mmトロカーを設置,膀胱を灌流しながら切除鏡を用いて膀胱粘膜と筋層を切開し,尿管を含む2〜3cmの膀胱U字フラップを作成する.次に気膀胱の状態にし,切開した膀胱筋層を尿道より挿入した持針器で縫合し尿管のベッドを作成,尿管先端を膀胱全層と2針アンカー縫合し,U字フラップと膀胱切開面の粘膜縫合を4針行うものである.尿道カテーテルを留置し手術は終了する.最近の4例では膀胱穿刺創を内視鏡的に閉鎖した.(結果)1尿管あたりの手術時間は平均144分であった.片側逆流の1例の患者で出血のため開腹術に移行した.術後の逆流消失率は,3カ月で82%(18/22尿管),1年では86%(19/22尿管)であった.尿管損傷が経尿道的膀胱切開中に3名に生じた.そのうち2名はダブルJステントを留置して修復したが,12カ月後1名に逆流が再発した.他の1名では,膀胱鏡で尿管損傷の部位に膀胱尿管瘻が見つかり,後にPolitano-Leadbetter法を開放手術で施行し逆流は消失した.内視鏡的に膀胱穿刺創を閉鎖することで尿道カテーテルの留置期間は平均4.3日から3日に短縮された.(結論)逆流消失率について,ET IIは開放手術や腹腔鏡下逆流防止術よりやや劣ったものであった.尿管損傷等の合併症も多く,膀胱尿管逆流症に対して,ET IIは勧められる手術方法ではない.

著者

藤田 高史 社会保険中京病院泌尿器科
小野 佳成 名古屋大学大学院 医学研究科 病態外科学 泌尿器科
大島 伸一 名古屋大学大学院 医学研究科 病態外科学 泌尿器科
絹川 常郎 社会保険中京病院泌尿器科
木村 亨 社会保険中京病院泌尿器科
辻 克和 社会保険中京病院泌尿器科
野尻 佳克 国立長寿医療センター泌尿器科
岡村 菊夫 国立長寿医療センター泌尿器科
大島 伸一 国立長寿医療セ
辻 克和 名古屋大学泌尿器科
木村 亨 社会保険中京病院 泌尿器科
木村 亨 Nec マイクロエレクトロニクス研究所システムulsi研究部
絹川 常郎 社会保険中京病院
平野 篤志 社会保険中京病院泌尿器科
初瀬 勝朗 社会保険中京病院泌尿器科
古川 亨 社会保険中京病院 泌尿器科
小野 佳成 愛知淑徳大学
小野 佳成 名古屋大学
小野 佳成 中京病院(社保)
田中 國晃 社会保険中京病院泌尿器科
平野 篤志 八千代病院泌尿器科
古川 亨 社会保険中京病院泌尿器科:(現)半田市立半田病院泌尿器科
田中 国晃 社会保険中京病院泌尿器科:(現)刈谷総合病院泌尿器科
岡村 菊夫 名古屋大学 泌尿器科
大島 伸一 名古屋大学医学部泌尿器科
野尻 佳克 名古屋大学病院泌尿器科
大島 伸一 名古屋大 泌尿器科
田中 國晃 刈谷豊田総合病院泌尿器科
大島 伸一 中京病院(社保)
小野 佳成 名古屋大学医学部大学院医学系研究科病態外科学泌尿器科学
岡村 菊夫 名古屋大学
木村 亨 社会保険中京病院
野尻 佳克 国立長寿医療センター
大島 伸一 名古屋大学
岡村 菊夫 国立長寿医療セ 泌尿器科
野尻 佳克 独立行政法人国立長寿医療研究センター泌尿器科
大島 伸一 社会保険中京病院
野尻 佳克 国立長寿医療研究センター泌尿器科

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