成人鼠径部ヘルニアに対するtension-free repair : とくにmesh plug法とProlene Hernia System法に関する検討

概要

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成人鼠径部ヘルニアに対するtension-free repairのうち,mesh plug法とProlene Hernia System (PHS)法についてretrospectiveに,その有用性を比較検討した。対象はmesh plug法が47例,PHS法が43例で,患者背景,手術時間,術後在院日数,術後愁訴,合併症,再発率について検討した。その結果,手術時間はmesh plug法で有意に短かった。合併症はmesh plug法で1例,再発はmesh plug法で2例にみられ,PHS法ではみられなかったが,統計学的には有意差はなかった。なお,術後愁訴はいずれの群にも著明なものは認められなかった。我々はNyhus分類のType IIIおよびIVの各型を適応としているが,mesh plug法は,手技は比較的容易で短時間ですむため,リスクの高い症例にも施行できる利点がある。しかし,再発の可能性もある。一方,PHS法は手技はやや難しいが,正しく挿入すれば再発率は低いといえる。従って,それぞれの利点,欠点を知って適応を選ぶ必要があるといえる。
北里大学の論文
2001-06-30