頭頸部非ホジキンリンパ腫の治療成績と予後決定因子の検討
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概要
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1975年4月から1997年3月までに北里大学病院の放射線科と耳鼻咽喉科で治療した頭頸部非ホジキンリンパ腫全188症例について,対象期間を,1975〜1985年;放射線照射単独期,2)1986〜1989年;移行期,3)1990〜1997年;放射線照射・化学療法併用期に3分して,レトロスペクティブに生存率解析を行い,治療成績を検討し,予後決定因子について考察した。各期間の間で性別,年齢別,臨床病期別,病理組織型別,原発部位別,初診時LDH値の正常/異常別の患者内訳に有意差はなかった。頭頸部NHLの全188症例の原病5年生存率は68.0%,10年生存率は64.7%,放射線照射単独期(n=52)は各80.6%,78.4%,移行期(n=47)は各64.7%,61.6%,放射線照射・化学療法併用期(n=89)では5年生存率が62.6%であった。各期間の間で生存率曲線に有意差はなかった(p>0.147)。全188例では臨床病期のI期とII期の間,およびLDH値の正常と異常の間で,放射線照射単独期と移行期では臨床病期のI期とIII期の間で生存率曲線に有意差を認めた。放射線照射単独期と放射線照射・化学療法併用期の間,および5年以上生存群と3年以内死亡群の間に,初回生検日より治療開始までの平均日数に有意差を認めた(p<0.01)。初回生検日より治療開始までの目数を7日を境に分けた早期治療開始群と遅延治療開始群の間で,生存率曲線に有意差を認めた(p=0.0055)。化学療法の併用による治療成績の改善は示されず,早期に治療を開始することが,頭頸部非ホジキンリンパ腫の治療成績の向上に寄与すると考えられる結果をえた。
- 北里大学の論文
- 1999-12-31
著者
-
松林 隆
北里大学医学部放射線科学
-
松林 隆
北里大学 放射線
-
青木 由紀
北里大学医学部放射線科学
-
松林 隆
北里大・医・放
-
青木 由紀
北里大学医学部放射線科
-
松林 隆
北里大学医学部・放射線科学
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