尿糖陽性者の臨床検査値異常出現率 : 当社職員の健診結果より
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概要
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尿糖陽性者の各種臨床検査値の異常出現率および肥満,高血圧,蛋白尿の合併頻度を調べるため,約7万名の当社職員の健診結果より尿糖陽性者を抽出し,40歳以上の空腹時尿糖陽性者626名について,尿糖検出量別に検討した。まず血糖値についてみると,空腹時の尿糖が(++)以上になると,男女合わせてみると82.4%が空腹時血糖値140mg/dl以上を示し,糖尿病の可能性が高く,一方尿糖が(±),(+)と軽度の場合は34.8%が空腹時血糖値110mg/dl以下を示した。次に肥満,高血圧,蛋白尿の合併頻度をみると,尿糖陽性者はその検出量に関係なく,明らかに上記項目の合併が高い傾向がみられた。さらに血清脂質および肝機能数値についてみると,尿糖検出量の増加にともない明らかに異常出現率が高くなる傾向を示した。以上,尿糖陽性者の分析により,参考となる若干の知見が得られたが,今後さらに例数を増やすとともに血糖値別の検討も必要と思われる。
- 日本保険医学会の論文
- 1993-12-15
著者
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