肥満度と臨床検査値異常出現率
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概要
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人の体重,肥満度を食生活や日常活動即ちライフスタイルの反映と見たとき,肥満の程度と各種臨床検査値の異常出現率との関係は興味の持たれるところである。健康管理制度の拡大,充実により,血清脂質,肝機能,血圧,空腹時血糖,血清尿酸値等の臨床検査のデータベース化が進んでいる。本論では約7万名の対象集団を肥満の程度により,正常〜高度肥満の4群に分け,それぞれの臨床検査値の異常出現率を算出,性別年令を十分に考慮して比較検討を行った。また異常,正常の境界線引(所謂デシジョンレベル)をどこに設定するかによる,異常値出現率の変動の問題については,単位検査値範囲別に集計を行ない検証した。各項目についての検討はいずれも肥満度が上がるに従い検査値異常率が上昇する傾向を明確に示している。またさらに単位検査値範囲における占率分布曲線は変化の連続性を明示しており,各項目間のパターンの違いも見せている。このような分析結果をふまえれば特定の集団内の個人の年令,性別,肥満度からその個人が各検査項目につき異常を示す危険率を知ることができる。保険査定における体格評点の重要性の再認識につながると考える。また健康管理面において肥満度をパラメターに使う一つの根拠となるのではないか。
- 日本保険医学会の論文
- 1992-12-15
著者
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