耳下腺腫瘍の臨床的検討;特に,手術方法の選択について

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概要

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耳下腺腫瘍に対する外科的治療の際,臨床症状と検査所見により手術方法は決定されるが,手術中の迅速病理組織学的診断により決定される場合も多い。より根治性が高く,合併症の少ない手術法が理想ではあるが,確立された見解は今のところない。そこで当科での耳下腺腫瘍の手術例について,手術術式と再発に対しての検討を行った。耳下腺腫瘍のうち良性腫瘍が44例(81.5%),悪性腫瘍が10例(18.5%)であった。良性腫瘍は,多形性腺腫が29例,腺リンパ腫8例などであった。このうち部分切除術を行った神経鞘腫の症例で1例再発が見られた。悪性腫瘍は,腺病が5例,粘表皮腫2例などであった。このうち生検1例を含む2例が死亡したが,いずれも肉眼的,組織学的に取りきれていない症例であった。適切な手術を行い腫瘍を外科的に完全切除し,その悪性度に合わせて頸部リンパ節廓清や,放射線治療を行えば,耳下腺良性腫瘍,悪性腫瘍の再発は他の報告より低く抑えられる可能性が高いと思われた。
北里大学の論文
1997-02-28

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