北里大学病院形成外科における顔面骨骨折の臨床的検討

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概要

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日常生活の変化とともに,顔面骨骨折の受傷機転は変化してきている。われわれは,1992年1月1日から1997年12月31日までの6年間に北里大学病院形成外科に入院した新鮮顔面骨骨折370例432骨折を対象にして臨床的検討を行ったので報告する。年齢分布は5歳から88歳までで,平均年齢は29.1歳であった。性別分布は男性281例,女性89例で男性に多く見られた。受傷原因は交通外傷が最も多く,次いで転落・転倒,暴力,スポーツ外傷の順であった。近年,暴力を原因とする顔面骨骨折が増えており,特に下顎骨骨折が増加していた。暴力を原因とする下顎骨骨折は角部骨折が多く,その左右差は左側が右側の約3倍であった。主に介達性外力で起こる関節突起部骨折は暴力と,それ以外を原因とするものを比べると左右差はなかった。暴力を原因とする下顎骨骨折では,直達性外力は左側に強く作用し,介達性外力は左右いずれにも作用することが推測された。
1998-08-31

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