抗菌性ゼオライト含有尿道バルーンカテーテルの基礎的・臨床的検討

概要

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今回われわれは,抗菌性ゼオライト含有フォーリー型尿道バルーンカテーテル(抗菌ゼオライトカテーテルと略)を考案試作し,その有用性について基礎的,臨床的に検討した。組織移植試験,急性毒性試験,発熱性物質試験,溶血性試験において毒性は認められなかった。抗菌性試験では,緑膿菌,大腸菌,黄色ブドウ球菌の順に抗菌性が認められ,その効果は抗菌ゼオライト含有濃度およびカテーテル面積に比例していた。また保管前および6か月保管後の抗菌性試験でも抗菌性の減少は認められなかった。臨床的検討として,すでに従来型シリコーンゴム製尿道パルーンカテーテルを3〜6か月間留置し複雑性尿路感染症を有する11例に2%抗菌ゼオライトカテーテルを留置した。短期間で中止した2例を除いた9例に2〜4週毎に3〜7か月間留置し,従来型尿道バルーンカテーテルと交換後の尿沈渣,尿培養,血算,血液生化学検査,自覚症状などについて比較検討した。その結果,UTI効果判定基準で9例中2例(22.2%),主治医判定9例中5例(55.5%)に効果が認められた。また抗菌ゼオライトカテーテル留置中,自覚的副作用および血算,血液生化学の増悪を示した症例は認められなかった。尿道カテーテル自体に抗菌効果を持つ抗菌ゼオライトカテーテルは,尿道カテーテル留置を必要とする多くの患者において尿路感染症を予防するだけでなく,抗生剤の使用量の減少という経済面からも多大な貢献が期待される。
北里大学の論文
1991-08-31

抗菌性ゼオライト含有尿道バルーンカテーテルの基礎的・臨床的検討

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