胎児手術による無瘢痕手術の可能性

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概要

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先天性外表奇形,特に顔面裂,羊膜帯症候群などの重篤な顔面奇形は,形成外科的に治療を行なっているが,術後瘢痕は,どうしても消すことができず,社会適応にも支障を来たす場合が少なくない。診断技術が進んだ現在,これらの奇形は,胎児期に診断が可能になってきている。さらに胎児外科が臨床応用されつつある昨今,診断がつき次第手術することによって,全く瘢痕を残さないで治療できる可能性を秘めた胎児手術に対して期待が向けられようとしている。しかし胎児期の創傷治癒が,良好であることは知られているものの,実際どの程度無瘢痕手術が期待できるのか,また,手術時期は,いつごろがいいのかなどについて参考になる報告はない。そこで形成外科領域における胎児外科の展望を知る目的で,胎仔手術によって,ラット胎仔口唇に切開創を作成し,自然分娩にて回収した新生仔の口唇に残る手術瘢痕が全く残らないで生まれてくる割合を実験的に調べた。
北里大学の論文
1989-02-28

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