ウサギ血清殺菌因子RaRFの精製とその性質
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概要
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1.Ra-reactive factor (RaRF)をウサギ血清より約1000倍精製した。この標品の比活性は,マウスの場合の1/10であるが,電気泳動的純度は,マウスに匹敵し,約70%である。2.ウサギRaRFとRa菌との結合は,Ra菌細胞壁LPS多糖鎖の非還元末端糖,およびその近傍に位置する構成糖,あるいはその類似糖であるN-アセチル-D-グルコサミン,D-グルコース,D-マンノースにより選択的に阻害された。3.ウサギRaRFの温度感受性及び還元剤感受性は,それぞれ,免疫グロブリン,マウスRaRFに類似する。4.ウサギRaRFの沈降係数は11.1Sである。ポリアクリルアミドゲル電気泳動により,ウサギRaRFは,マウスRaRFと同じ基本構造,既ち,30kDのポリペプチド鎖10数個が,ジスルフィド結合で会合した構造をもつことが明らかとなった。ただしマウスRaRFにみられるサブユニットの荷電的な不均一性はみられない。5.上述の分子構造並びに還元剤感受性の検討結果は,ウサギRaRFがマウスRaRFと同様に免疫グロブリンとは異なる分子種であることを示している。
- 北里大学の論文
- 1989-02-28
著者
-
川上 正也
分子生物学
-
猪原 節之介
北里大学医学部形成科学教室発生生物学研究室
-
佐藤 祐子
北里大学医学部・生物化学系
-
川上 正也
北里大学医学部・分子生物学
-
猪原 節之介
東京工大
-
川上 正也
北里大学医学部
-
川上 正也
北里大 医
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