マウス血液中の未活性型RaRF分離の試み
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概要
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RaRF (Ra-reactive factor)はSalmonella株のIipopolysaccharide (LPS)に特異的に結合し,補体系を介して殺菌する因子である。その活性は多種類の脊椎動物血清に存在する。マウスRaRFは補体成分C1と同様に直接C4とC2を活性化する。また,RaRFの蛋白質構造も補体成分C1に似ている。従来法で調製したRaRFは活性型のRaRFであると推定される。今回は血清中のRaRFの型を調べた。マウス血清のeuglobulin画分をゲル濾過法で分画したところ,RaRFに特徴的な分子量28kのポリペプチドを含む画分が得られた。この画分の主要蛋白質はRa菌に結合し,補体を活性化することが示された。これらの性質は,従来法で得られたRaRFと等しいので上記画分にはRaRFが含まれると考えられる。上記画分はそのままでは遊離のC4を消費する能力がないが,赤血球上のRa菌LPSに結合するとC4およびC2を活性化する。ゆえに,この画分中のRaRFは未活性型のRaRFであり,血液中でもこの型で存在していると考えられる。
- 北里大学の論文
- 1988-12-31
著者
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