頭部外傷の予後不良例の検討 : 急性期全身管理上の問題点

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概要

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頭部外傷患者の急性期の全身管理は頭蓋内病変にも影響を与えるきわめて重要な問題である。受傷1か月目のGlasgow outcome scoreがvegetativeであった53例と受傷1か月以内に死亡した81例の予後不良例を検討の対象とし,これらの症例の急性期の全身病変に注目して検討を行なった。死亡例の内,半数以上が,3日以内の死亡例であり,24時間以内の死亡を34例認めた。これらの症例の直接死因は,脳死以外ではショックによる死亡が多かった。直接死因とならないまでもほとんどの症例でショックや低酸素血症といった重篤な合併症を持っていた。低酸素血症及びアシドーシスは,来院時にすでに呈している症例が多いのに比べて,ショック及び貧血は来院後に認められる症例が多かった。脳圧を下降させるような医療行為の直後や手術中にショックが顕在化した。この論文では,これらの種々の全身病変に注目して急性期における全身管理上の問題点を検討する。
北里大学の論文
1989-02-28

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