PMSによるラットの連続発情の誘起と血中エストロジェンおよびジェスタージェンの動態

概要

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妊馬血清性性腺刺激ホルモン(PMS)は卵胞の発育・排卵に関連した研究に用いられているが,発情周期の影響について検討した報告は見当らない。本研究はラットの発情周期におよぼすPMSの影響について検討した。発情周期の各期にPMS 30IUを投与したところ,発情周期の周期性が妨げられ,発情期の遅延を伴う(連続発情)現象が誘起された。特に,発情期のPMS投与では,大部分の動物(63%)が12日以上の連続発情を示した。発情期のPMS投与群では,卵巣重量は漸次減少し,連続発情期には投与前の約1/2になった。一方,下垂体および子宮重量は増加の傾向を示し,連続発情時には投与前に較べて高値を持続した。ジェスタージェンは連続発情時に極めて低値を示し,新生黄体の形成がなかったものと示唆された。一方,エストロジェンは投与直後から有意(P<0.01)に上昇し,3〜4日目にピークを示し,その後低下したが,投与前の値を持続した。このエストロジェンの増加が連続発情誘起に重要な役割を果しているものと考えられる。
北里大学の論文
1979-12-31