イヌにおける同所性同種肝移植の研究 : cuff 法と手縫い法

概要

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イヌ同所性同種肝移植において,血管吻合に関する cuff 法と手縫い法の手術手技的比較を行なった。48時間以内の手術死亡については,cuff 法は48.3%,手縫い法は54.5%で,有意差はなかった(p>0.05)。免疫抑制としては,無処置対照群(cuff 法),mizoribine 群(cuff 法),cyclosporine 群(手縫い法)の3群とし,48時間以内の死亡を除いた残りのイヌで生存日数を比較した。その結果,無処置対照群10.0±2.9日(mean±SE, n=5), mizoribine 群44.6±31.6日(n=15), cyclosporine 群 88.2±35.2日以上(n=5)で,cyclosporine 群は有意に対照群より生存の延長を見たが(p<0.05),その他の群の間で統計的有意差は認められなかった。cyclosporine 群ではまだ3頭が生存中であり,より良い成績となることが期待される。また,cuff 法では長期の観察で,吻合部の狭窄,閉塞が起こることがあり,長期生存実験では,手縫い法の方が優れている。
北里大学の論文
1984-12-31