Gas-liquid-chromatography による血中 ethanol の迅速定量法の検討
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概要
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Gas-liquid-chromatography (GLC)を用いた血中 ethanol の簡便な測定法を考案した。氷冷した小バイアルに被検血液(全血)を採取し,これに1.0‰ iso-butanol (内部標準物質) acetone 溶液を等量加え密栓後よく混和した。同バイアルを1500G で30秒間遠心し上清を GLC 試料とした。Ethanol の iso-butanol に対する peak 面積比より検量線を作製したところ,ethanol 濃度0〜6.0‰で原点を通る直線となった。本法の変動試験,添加回収試験,希釈試験成績などはいずれも良好であった。また実際にヒトによる飲酒実験を行ない,本法と他法(酵素法)との相関を検討したところ,両者は良好な相関を示した。さらに,ethanol 含有血液を各種条件下に保存し,本法および酵素法で測定したところ,酵素法では保存に伴って高値を示す傾向が顕著であったが,本法ではかなり安定した値を示した。以上より,本法は定量性にすぐれ操作も簡便で,法医実際面の応用も充分に可能なものと思考された。
- 北里大学の論文
- 1984-12-31
著者
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