体液浮遊細胞の死後変化ならびに法医学への応用III.屍髄液浮遊細胞新分類法とその法医診断学的意義
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概要
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屍髄液浮遊細胞成分を著者独自の分類基準により分類し,その各細胞成分の消長のもつ法医診断学的な価値を検討した。死後経過時間(TAD)10時間くらいまでにlymphocytoid type (小リンパ球類似)は顕著に減少し,逆にmonocytoid type (単球類似)は増加した。lymphocytoid typeの急激な減少は該typeの自己融解によるもので,またmonocytoid typeの急激な増加は脳軟膜の細胞の剥離増加によるものと考えられた。同時に行なったAcid-phosphatase細胞化学でも両typeにはTAD早期より活性に差がみられた。両typeはTAD 5〜6時間で頻度的に逆転を示し,両typeの判別が簡便であることも考慮するとTAD推定のmarkerとして有用であろうと思われた。また死因において呼吸停止が先行する群と心停止が先行する群とではTAD 12時間以内の例に限ると,前者においてlymphocytoid typeが低値を,monocytoid typeが高値を示す傾向がみられ,死因究明の一助となる可能性が考えられた。
- 北里大学の論文
- 1984-06-30
著者
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