食品に含まれる抗酸化物質のハイリノール型サフラワー油に対する酸化防止効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ハーブ5種類、ビタミンEやカロチンを多く含む食品4種類、褐変に関わる物質3種類およびβ-カロチンをハイリノール型サフラワー油に添加して60℃における抗酸化効果を調べた。さらに、効果の大きかった添加物については、35℃で油 : 酢=2 : 1の試料に対する抗酸化効果を調べた。比較のために合成抗酸化剤BHT添加試料と天然ビタミンE強化ハイリノール型サフラワー油についても並行してPOVを測定し、次の結果を得た。1. 60℃において、0.5%ローズマリー添加試料は、0.1%BHT添加試料を凌ぐ抗酸化効果を示し145時間後のPOVはコントロールの52%だった。2. 60℃において、0.5%セージ添加試料は、ローズマリーに次ぐ抗酸化効果を示したが、0.5%オレガノ・タイム・バジル添加試料は、20時間程度しか抗酸化効果を示さなかった。3. 60℃において、0.5%青じそ添加試料にはある程度の抗酸化効果が認められたが0.5%緑茶・パセリ・青のり添加試料には抗酸化効果がほとんど認められなかった。4. 60℃において、0.1%没食子酸添加試料にはある程度の抗酸化効果が認められたが、0.1%クロロゲン酸・カテキン添加試料には抗酸化効果が認められず酸化促進的な作用をする物質の存在が示唆された。5. 60℃において、0.1%β-カロチン添加試料の145時間後のPOVは、コントロールの85%であった。6. 60℃において、天然ビタミンE強化ハイリノール型サフラワー油は、20時間後のPOVがコントロールの39%であったが、その後の抗酸化効果の低下は、著しかった。7. 35℃において、ハイリノール型サフラワー油に2 : 1の割合で穀物酢を加えると油のみの場合よりPOVが上昇し、添加物の抗酸化効果が低下した。8. 35℃で穀物酢を加えた試料に対しても、0.5%ローズマリー添加試料は0.1%BHT添加試料を凌ぎ最も安定して抗酸化効果が高く、13日目のPOVはコントロールの36%であった。9. 35℃では、青じそは酸化促進的に作用し、0.5%添加試料より1.0%添加試料の方がPOVが高かった。10. 35℃で穀物酢を加えた試料に対し. 0.1%β-カロチン添加試料は、2〜3日間はPOVがコントロールの21〜27%で高い抗酸化効果を示したが、その後の抗酸化効果の低下は、著しかった。11. 35℃で穀物酢を加えた天然ビタミンE強化ハイリノール型サフラワー油は、7日間はPOVがコントロールの14〜20%で高い抗酸化効果を示したがその後は抗酸化効果が低下した。
- 1997-03-03
著者
関連論文
- パパイア成熟果に残存するプロテアーゼ活性の評価
- 機能性食品の開発--UX-30(低ゼリー強度寒天)を添加したヤーコンジャム
- 発酵乳製品における乳たんぱく質のアレルゲンの減少について
- 味噌の色調と抗酸化性との関係
- 豆乳の加熱条件と木綿豆腐のテクスチャーとの関係について
- 紅茶の水色変化におけるpHおよび有機酸の影響
- 'ヘイワード'種キウイフルーツ果実中のクロロフィルおよびカロテノイド含量の相関性
- 香辛料および野菜におけるラジカル消去能
- 食品に含まれる抗酸化物質のハイリノール型サフラワー油に対する酸化防止効果
- 果実のラジカル消去能と食品の加熱および褐変化によるラジカル消去能への影響
- 野菜・果実中のポリフェノール化合物の分別定量と褐変現象について
- 食品中のクロロゲン酸含量とDPPHラジカル消去能
- 健康茶のDPPHラジカル消去能と血栓溶解効果
- 褐変物質のDPPHラジカル消去能
- 女子短大生の塩味とうま味の嗜好バランスに関する調査
- 食品の機能--香辛料・野菜の抗酸化性
- 発酵によるアレルゲン性乳たんぱく質の減少について
- 茶葉、柑橘類、クローブ含有成分のハイリノール型サフラワー油に対する抗酸化効果
- 女子短大生の尿中窒素化合物および食塩の測定
- 市販野菜に含まれる硝酸塩量
- 紅茶水色に対する金属塩類および水の硬度の影響