発酵乳製品における乳たんぱく質のアレルゲンの減少について
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概要
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発酵乳製品のミルクアレルギーに対する減感作食品としての効果を調べるため種菌の添加割合や発酵時間を変えたヨーグルト、種菌の添加割合を変えたケフィアおよび市販のはっ酵乳、乳製品乳酸菌飲料についてβ-ラクトグロブリンとα_<s1>カゼインの含量を測定し、次のような結果を得た。1. ヨーグルト種菌の添加割合を変えて発酵条件を42℃で6時間とした場合、β-ラクトグロブリンとα_<s1>カゼインの減少に種菌の添加割合による影響は認められなかった。添加割合に関わらず、β-ラクトグロブリンは原料のスキムミルクの33%前後α_<s1>カゼインは65%前後まで減少した。2. ヨーグルト種菌の添加割合を標準にして、42℃で発酵時間を変えた場合、β-ラクトグロブリンの含量は発酵時間に関わらず原料のスキムミルクの30%程度で差異が認められなかったが、α_<s1>カゼインは24時間以上発酵させることによりスキムミルクの50%程度まで減少し、標準条件より減少割合が大きくなった。3. 乳酸菌と酵母による発酵乳製品ケフィアは、種菌の量を変えると原料のスキムミルクに比べβ-ラクトグロブリンでは添加割合が多くなるに従って減少割合が大きくなる傾向が認められたが、α_<s1>カゼインはほとんど減少せず、いずれもヨーグルトに比べると減少割合は少なかった。4. 市販のはっ酵乳のβ-ラクトグロブリンの量は牛乳の約14〜70%、α_<s1>カゼインの量は牛乳の約34〜190%と様々で、各試料のβ-ラクトグロブリンとα_<s1>カゼインの量に関連性は認められなかった。5. 市販の乳製品乳酸菌飲料では、β-ラクトグロブリンがほとんど存在せず、α_<s1>カゼインも牛乳の約0〜78%ではっ酵乳よりアレルゲン性が低いと考えられた。
- 2000-03-03
著者
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