紅茶の水色変化におけるpHおよび有機酸の影響

概要

論文の詳細を見る
紅茶水色へのpH、有機酸およびレモンの影響を調べ次のような結果を得た。1.紅茶水色は脱イオン水による浸出液より酸性側では明るいオレンジ色、塩基性側ではpHの上昇と共に赤褐色化が認められた。2.緩衝液による浸出液中の色素を分画した結果、メチルイソブチルケトン層:ブタノール層:水層の比はメチルイソブチルケトン層を1.0とした場合、pHの上昇と共にブタノール層、水層での割合が増加した。また、水層に明るい桃赤色を与えるテアフラビンを多く含むメチルイソブチルケトン層は、脱イオン水による浸出液より酸性側では高い吸光度を示し、塩基性側ではpHの上昇と共に吸光度が低下した。さらに水色に黒ずんだ赤色を与えるテアルビジンを多く含むブタノール層と水溶性色素を含む水層は、pHの上昇と共に吸光度が高値を示した。3.2〜4×10^<-5>molの酢酸、乳酸、没食子酸、シュウ酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、クエン酸を紅茶浸出液に添加した場合、水色はわずかに赤みを減じ、黄色みが増し、明度、彩度もわずかに高値を示したが、視覚的な変化は顕著ではなく、これらの有機酸の種類による違いは認められなかった。4.アスコルビン酸は他の有機酸よりも水色の黄色みを増し、明度、彩度を高める効果があった。この効果は赤色系統の水色を示す紅茶で顕著であった。5.レモンを添加した場合の水色の変化には、pHの低下とアスコルビン酸の両因子が関与していると考えられた。
1992-08-20

紅茶の水色変化におけるpHおよび有機酸の影響

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク