メスピペットとメスシリンダーを用いたイモゾウムシ卵の簡易計数法
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概要
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イモゾウムシの卵数の推定法は,本種の人工飼育における,採卵効率の評価と飼料への卵接種密度の制御のために不可欠である.そこで,本種の卵数推定法を,卵体積に対する卵数の回帰分析によって作った.まず,2種類のメスピペット(1mlと2ml)を用いて卵を複数回異なる体積で量りとり,含まれる卵数を数えた.共分散分析により,卵体積の増加に対する卵数の増加パターンがピペットの種類間で異なることが示されたため,ピペットの種類ごとに別々の回帰式を当てはめた.卵体積-卵数プロットの観察,および卵体積と単位体積当たり卵数の相関に基づき,1mlピペットには直線回帰,2mlピペットには2次曲線回帰を用いた.双方の回帰式の決定係数(R^2)はともに高い値(0.97以上)を示した.次に,より多量の卵に対して卵数推定を行うため,5mlメスシリンダーを用いて類似した分析を行った.ここでは,メスシリンダー中の卵数を実際に数えるかわりに,上記のメスピペットで複数回に分けて吸いとり,上述の回帰式による推定卵数を合計することにより,メスシリンダー中の卵数を決定した.卵体積に対する推定卵数の直線回帰により,非常に当てはまりのよい回帰式が得られた(R^2=0.99).以上の結果は,メスピペットとメスシリンダーのどちらを用いても,イモゾウムシの卵数の高精度な推定が可能であることを示す.本研究は,卵の計量に用いる器具によって,卵数の増加パターンが異なるという事実を明らかにした.これは他の昆虫において卵数推定法を確立する場合にも考慮されるべきである.
- 2006-02-25
著者
-
大野 豪
沖縄県ミバエ対策事業所
-
佐々木 智基
沖縄県ミバエ対策事業所
-
中村 隆文
沖縄県ミバエ対策事業所
-
原口 大
沖縄県ミバエ対策事業所
-
浦崎 貴美子
沖縄県ミバエ対策事業所
-
小濱 継雄
沖縄県ミバエ対策事業所
-
小濱 継雄
沖縄県農業研究センター
-
大野 豪
Department Of Ecology And Systematics Graduate School Of Agriculture Hokkaido University
-
大野 豪
北海道大学大学院農学研究科北方森林保全学講座:(現)東京大学大学院農学生命科学研究科応用昆虫学研究室
-
浦崎 貴美子
沖縄県病害虫防除技術センター:(現)沖縄県農林水産部園芸振興課
-
原口 大
沖縄県病害虫防除技術センター
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