着用快適性評価のための試験法および高齢者用衣服素材への有用性(自然科学編)
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概要
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衣服の着用快適性(着心地)は着用者の心理・生理的要因の影響も無視できないが、衣服の物理的性能は重要な因子である。本研究は快適衣料の素材研究の立場から、主に着心地に及ぼす物理的要因に関する従来の研究を参照しつつ問題点を整理し、その評価試験法について検討した。この研究で整理した多くの試験方法はJISやASTMなど実用試験、単一の物理量の評価としては不十分であっても、測定装置の簡便さなどを考慮すると、総合評価の指標として十分実用性があることが、ポリエステル/綿(PET/C)の混紡布地の測定結果からも確認できた。その結果、PET/C素材は綿100%に比べて、吸水能と水の拡散・発散能がともにある程度大きく、水を運搬する能力(透水性)に優れていることが簡便な試験法によって評価することができた。PET/C素材は繊維内部や繊維間に吸収され捕捉された水分の保水性・抱水性が低いため、乾燥や湿潤時の体温低下を防止できる。このように複合した衣服素材は、体温低下によって発病したり体調不良となりやすい高齢者には有利となる。
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