臨床におけるケアリング教育 : 倫理的で探究的な臨床実習のために
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概要
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ケアリング教育のあり方を明らかにする目的で、臨床実習中に行なった学生との対話録や指導メモ、学生の記載した実習記録を分析し、存在様式の現れ方とケアリングに及ぼす要因を考察した。対象者のうち、2ケースでは教師や両親の画一的な関わりが学生の個性や自発性を損ね、ケアリング行動を妨げていた。しかし、パートナーシップを基盤とした個人的な面接によって、学生は過去に受けた教育や対人関係を振り返り、存在様式の意味とそれがケアリングに及ぼす影響を理解できた。また、患者や看護者からケアされた学生は、パーソナルな関係によるケアリング効果を発揮し、その経験からコミニュケーション本来のあり方を理解できた。また知識や理論の枠組みを使って患者の反応を分析した学生は、ケアリングに必要な探求心や批判的思考を高めることができた。学生との個人面接や個人情報を活かした過程分析は、自己やケアリングに関する新たな洞察を導き、ケアリング行動を高めると思われた。しかし、存在様式やケアリングに関する洞察は学生の個人的な体験であり、教育効果を他者と比較したり、学習の深度を評価することは困難であった。
- 神戸大学の論文
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