ボアホールアンテナの特性
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概要
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地中電場の鉛直成分の検出に, 深井戸用の鋼管をモノポールとするアンテナが提案され, 数100mの深さの井戸を用いた観測の結果, 地震や火山噴火の直前の異常変動を検出することが頻々あることが報告されていた。ここでは, このようなボアホールケーシングアンテナのアンテナ特性について定量的に検討した。簡単のため一様半無限の導体を媒質と仮定して, アンテナの放射抵抗などを求めた。その結果, 放射抵抗は媒質の導電率σ_1, 誘電率, 周波数f, ボアホールの長さ, アンテナの太さの関数であって, 1〜10kHzのVLF帯では, 数100mの長さのアンテナは, 半波長アンテナに近くなるが, ULF帯では微小ダイポールとしての取り扱いになる。使用しているボアホールの径が5インチの場合では, VLF帯では放射抵抗は概ね, たとえばσ_1=10^<-1>S/m, f=1kHzで0.40(100m)〜0.62Ω(3, 000m), 10kHzで1.3(100m)〜2.0Ω(3, 000m)であるのに対し, σ_1=10^<-2>S/m, f=1kHzでは2.0(100m)〜6.2Ω(3, 000m)となり, σ_1=10^<-3>S/m, f=1kHzでは, 20Ω(100m)〜6.2Ω(3, 000m)となり, σ=10^<-2>S/mでは媒質の比抵抗の平方根に比例する傾向にある。ボアホールアンテナは, 実効的には一様媒質中の長さが2倍の鉛直ダイポールとみなせるので, 指向特性はULF帯およびVLF帯では, 媒質の条件によっては若干の違いがあるが, 半波長ダブレットなどの指向特性に近く, この種のアンテナが, 電場の鉛直成分を抽出していると考えて良い。また実効長は, 電気伝導度が高く, アンテナ長が800mより大きい場合20%程度のずれがある外は, 全長の半分となる。
- 1995-03-31
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