奈良女子高等師範学校附属幼稚園の保育の実際(2) : 昭和18年度四之組保育日誌を中心に(創刊二十五周年記念号)
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概要
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昭和18年度の奈良女子高等師範学校附属幼稚園の保育の実際について、昭和18年度四之組保育日誌を中心に考察した結果、一日の流れは、午前中保育では、「登園-自由遊び-会集-課程保育(5項目)-自由遊び-帰宅準備-散園」、午後までの保育では、「登園-自由遊び-会集-課程保育(5項目)-課程保育(5項目)-昼食-自由遊び-帰宅準備-散園、あるいは、登園-自由遊び-会集-課程保育(5項目)-自由遊び-昼食-自由遊び-帰宅準備-散園」と考えられる。保育の内容としては、保育5項目を基盤として、会集、自由遊び、行事、生活訓練に関するもの等が行われていた様子がうかがわれる。日々の保育では、教師が中心となって画一的に指導していた様子がうかがわれ、特に会集では、画一的・訓練的な様子がうかがわれる。昭和13年度に比べて、保育5項目の取り上げられた題材が少なくなったのは、会集の時間が長くなったためと考えられる。保育内容においても、当時の社会的背景から戦時色の濃さが感じられが、空襲警戒警報発令時においても、入園当初以外は通常どおり保育が行われていた様子が記されている。自由遊びでは、子どもの自発性や主体性が尊重されていた様子もうかがわれ、子ども自らが育とうとする力を信じ、子どものすこやかな成長を願っての保育が行われていた様子も垣間見られる。そして、なによりも、子ども通が幼稚園で楽しんで活動していた様子が伝わってくる。
- 新見公立短期大学の論文
- 2004-12-25
著者
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