<論稿>子どもの主体性と教師のかかわり(3) : "テーマを共有した遊び"での環境構成を中心に
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概要
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テーマを共有して遊んでいる3歳児と5歳児の子ども達を観察して,環境構成について年令差に焦点をあてて考察した結果,教師の環境構成としては,話し合いの場と時間の確保,物的環境の構成,体験・観察が重要なポイントになることが指摘できるのではないかと考えられる。そして,遊びの最初の段階では,話し合いの場と時間を確保し物的環境を構成して教師が枠組みを明確にするという主導的な役割をすることが,テーマを共有した遊びを促進していったといえる。その中でも,3歳児の場合は物的環境構成が大きな役割を果たしており,5歳児の場合は話し合いの場と時間の確保が大きな役割を果たしていると考えられる。そして,教師だけではなく子ども達もまた環境構成にかかわっていることがしばしば見られる。子ども達は,主に物的環境構成にかかわっており,3歳児よりも5歳児のほうが積極的であり,5歳児の場合は活動の途中からは教師よりも主導的に環境を構成し遊びを進めようとしていることが窺える。しかし,教師は全面的に子ども達に物的環境構成を任せてしまうのではなく,見守ったり,手伝ったり,手助けをしながら,必要な場面では積極的に環境を構成していると言えよう。
- 新見公立短期大学の論文
- 1999-12-25
著者
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