<論稿>倉橋惣三の誘導保育論の実際 : 菊池ふじのの「人形の家を中心にして」の実践記録をとおして
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概要
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倉橋惣三の誘導保育論について,菊池ふじのの「人形の家を中心にして」の実践記録に基づいて考察した結果,誘導保育論の基盤になっているものは,子どもは自ら育つ力をもっているという子ども観であると考えられる。そして,菊池ふじのの実践記録に基づいて誘導について考察した結果,誘導とは,「物的環境による誘導」「話し合い(言葉かけ)による誘導」「主題による誘導」「保育者自身の生活による誘導」「大仕掛けな製作活動(表現活動)による誘導」という内容を含むものであると考えられる。倉橋は,この実践記録を紹介しながら,幼児さながらの生活→(自由・設備)→自己充実→充実指導→誘導→教導という誘導保育論の方法のあらすじを示したと考えられる。また,森上史朗が,倉橋と幼稚園の関係について「彼の考えたことをそのまま幼稚園で実践したとか,幼稚園の実践を彼がそのまま理論化したとかいうようなものではなかったらしい」と言っているように,菊池ふじのの実践記録には詳しく書かれていない部分もあるので一概には言えないが,倉橋の誘導保育論と菊池ふじのの実践とは,必ずしも同一であるとはいいがたい面もあると考えられる。
- 新見公立短期大学の論文
- 2000-12-25
著者
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