アジア開発最前線の労働市場(3) : 中国,浙江省の事例分析
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概要
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本稿(本研究の第II章)では、現代中国における開発最前線の一事例として浙江省の中小私営企業を取りあげ、2000年9月に実施した実態調査に基づいて、私営企業の労働市場を分析課題とした。浙江省は、上海市に隣接して、中国でも最も私営企業が成長している地方であり、当地では、国有企業や郷鎮企業が民営化によって私営企業に衣替えしたものが多数を占める。その労働市場は、同族経営と縁故主義による雇用と労働力配置、内部労働市場の未成熟、労働力調達の地域的閉鎖性などを特徴としており、また雇用形態や社会保障の面でも就労の不安定化要因を内包している。現代中国の私営企業は、労働者の能力主義評価を重視した生産効率優先の経営によって経済成長を牽引しているが、労働者の雇用確保、就労の安定性といった諸点で、なお多くの課題を抱えている。
- 北海道大学の論文
- 2001-12-11
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