丹後の隠居慣行
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概要
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本稿は京都府北部の奥丹後地域における親別居の隠居慣行(インキョ・ホンヤ)の地域的分布の様態と慣行の特色を明らかにしようとしたもので,西南日本型別居隠居慣行の地域的比較研究の一部をなすものである。丹後の隠居は,かつて丹後全域に広く分布していたが,全体としてはかなり早い時期に衰退が始まり,現在では一部の地域にのみ残存している。丹後の隠居の特色は,分住隠居・分牌祭祀の慣行と結びついた親別居・別炊の家族別居型隠居で,かなり特徴的な内容をもつものであったが,その特色もかなり早くからほとんど失われていた。しかし現段階における丹後の隠居慣行の全容を,本稿においてほぼ解明することができた。This article attempts to show the distribution pattern of the retirement system in the Tango district(Kyoto Prefecture). This is a part of a comparative study on the retirement system of different societies in the southwestern part of Japan. In this report, I described the details of the distribution pattern of this system in the Tango district. (See Fig. 1 and Table 1.) In days of old, this system was supported by almost all the people in the whole district. At present, though still persistent in a part of this area, it is mostly in varied forms that the custom is presrved.
- 大阪教育大学の論文
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