勤労者における仕事および日常生活への歯科疾患による影響の実態

概要

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本研究は,職域での歯科疾患による勤労者の仕事および日常生活に与える影響の実態を明らかにする目的で行った。東京証券取引所一部上場企業63社,145事業所の従業員14,429人について解析を行った(有効回答率98.6%)。歯科保健活動時に直近の過去1年における歯科に関する不都合の有無およびその内容,歯科通院に要した回数および時間などについて自記式の質問紙調査を行い,次の結果を得た。1.この1年間で,歯科に関して不都合が発生した者は全対象者のなかで34.8%であり,通院によって仕事および日常生活での時間的損失を経験した者は20.9%であった。2.歯科通院した者の通院回数は,「欠勤」で0.54回/年/人,「就業時間外」で3.48回/年/人であった。3.歯科通院した者の通院時間は,「欠勤」で2.9時間/年/人,「就業時間外」で3.0時間/年/人であった。以上の結果から,歯科疾患は企業活動のなかで労働損失を起こし,勤労者の自由時間を短縮していることが示された。
有限責任中間法人日本口腔衛生学会の論文
2002-04-30