ラクダ科動物(ラマ, ラクダ)炎症性サイトカイン遺伝子の同定および系統樹解析(免疫学)

概要

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アジアや中南米で使役家畜として用いられているラクダ科動物の炎症性サイトカイン遺伝子は同定されておらず, 感染症などに対する免疫応答の詳細も明らかでない.そこで, ラマおよびラクダの炎症性サイトカイン遺伝子の同定を目的に, 既知ウシサイトカイン遺伝子配列よりプライマーを作製し逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法およびクローニングシークエンス法によりインターロイキン(IL)-1α, IL-1β, IL-6および腫瘍壊死因子(TNF)-αの各遺伝子配列を同定した.予想されるアミノ酸配列を他の哺乳類(ラクダ, ウシ, ヒツジ, ブタ, ウマ, ヒト, イヌ, ネコ, マウス, ラット)と比較した結果, IL-1αは60.7-87.7%, IL-1βは52.8-75.3%, IL-6は41.4-98.6%およびTNF-αは72.9-99.6%の相同性を示した.また, ラマサイトカイン遺伝子は, ラクダ, ウシ, ヒツジ, ブタおよびウマのサイトカイン遺伝子と系統学的に近縁であった.
社団法人日本獣医学会の論文
2005-09-25