BLV tax遺伝子分子クローン接種ヒツジにおけるリンパ腫の発症(病理学)

概要

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ヒツジにBLV tax遺伝子を高率に発現する分子クローン(high tax pBLV-IF)(H群, Nos. 1-5), 遺伝子改変を加えていないtax遺伝子を発現する分子クローン(wild tax pBLV-IF)(W群, Nos. 6-11)を接種し, 3頭(C群, No.12-14)を陰性対照群とし, 4ヵ月から46ヵ月間観察した.H群で5/5症例, W群で3/6症例(Nos. 6, 7, 9)がgp51抗体陽性を示した.H群は1症例のみで白血性病態を認め, H群, W群各1頭(Nos. 3, 6)にリンパ腫が発症した.No.3ではリンパ節, 第四胃以下の消化管, 心臓を始め多臓器に, No.6では空腸, 心臓のみにリンパ腫病変が認められた.腫瘍細胞の形態は両者ともに小型から中型のリンパ球様細胞が認められたが, No.3のみにリンパ芽球様細胞が認められた.免疫組織化学的検索により, 腫瘍細胞の表現型は両者共にCD1^-, CD4^-, CD5^-, CD8α^-, sIgM^+, λlight chain^+, B-B4^+, MHC class II^+であった.本研究により, pBLV-IF接種によってヒツジにリンパ腫およびリンパ性白血病が発症することが明らかになった.また, BLV tax遺伝子の転写効率の違いによるリンパ腫発症率には差異が認められない事が示唆された.
社団法人日本獣医学会の論文
2005-12-25