54 森林における雑草の発生と人為的撹乱および土壌の性質との関係 : 芦生研究林を例として
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概要
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森林は、環境保全や貯水、木材等の生産といった数多くの機能を担っているが、近年では、エコブームや自然回帰志向により憩いの場としての期待度が高まっている。しかしレクリエーション的な利用の増加に伴う自然植生の破壊も問題視されており、森林植生へ過度の影響を与えてしまう前に変化を察知し対策を講じることが必要である。他方、撹乱依存性草本である雑草は人為的な諸行為により形成された開放地に発生し、かつ人為的撹乱のない場にはほとんど侵入しないため、森林の破壊程度の極めて有効な指標になり得ると考えられる。雑草が真に侵入するには、繁殖体の侵入と生活を全うする定着の過程が必要であり、これらは撹乱と環境(とくに土壌環境)両方に影響されると推察される。本研究では雑草を利用した森林の利用度診断の基礎資料を得る目的で、芦生研究林内において、撹乱の程度や種類の異なる場面について、発生雑草種を調査するとともに、土壌の生物活性(生物検定)および化学的性質を測定し、雑草・撹乱・土壌の相互関係について整理し考察を行った。
- 日本雑草学会の論文
- 2004-04-16
著者
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