除草剤ベンチオカーブによる水稲わい化症の圃場における発生機構 : 第1報 ベンチオカーブ剤の処理方法とわい化症の発生及び水稲の生育,収量
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概要
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1979年に千葉県長柄町の水田でベンチオカーブ剤によるイネわい化症の再現試験を行った。(1)5月4日移植直後に初期剤を散布し,25日後に中期剤を散布した。わい化症は30〜35日後に観察され始め,45〜56日後に最も顕著に現れたが,その後回復に向った。また,わい化症発生初期にシメトリンによる葉枯れも認められた。(2)わい化症はベンチオカーブ無散布区と中期剤としてのみベンチオカーブを散布した区には全く認められなかった。初期剤としてベンチオカーブを散布した区ではいずれにもわい化症株は発生したが,その程度は区間で著しく異なり,概して多量散布区で顕著に,同じ薬量では稲わらの秋すき込み区で顕著に発生した。(3)わい化症によって,草丈は抑制されたが茎数の増加した株と,草丈・茎数ともに抑制された株を生じた。前者の株の穂は主稈が減少し,第一次分げつでは第4〜7節の分げつが抑制され第8節以上で増加し,第二次分げつも増加した。(4)わい化症が顕著に発生した場合には収量も著しく減少した。収量の低下は一種頴花数の減少と登熟歩合の低下によって生じ,葉枯れが著しかった場合には穂数の減少も重なって減収を大きくした。(5)土壌の酸化還元電位は,移植25日後に最も低下し,稲わらの秋すき込み区で最も低く,次いで春すき込み区,搬出区の順であった。しかし,その差は小さかった。
- 1979-12-25
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