タイ・パクチョン地区のトウモロコシ畑土壌中におけるアトラジンの残留
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概要
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タイの中部、パクチョン市にある試験農場で、慣行的にアトラジンを散布して栽培されているトウモ回コシ畑の土嬢を採取し、アトラジンの残留状況をガスクロマトグラフ法によって分析調査した。アトラジン水和剤の希釈液を、トウモロコシの発芽前に、3.75 kg/ha散布し、その数時間後に採取した土壌では、深さ0-5cm層で2.154ppm、 5-10cm層で1.403ppm、 10〜15cm層で0.923ppmであった。熱帯地方の高温とよく潅概されたこの栽培条件下で、アトラジン含量はかたり速く減少し、0〜10cm層土壌中におけるアトラジンの半減期は19日と算出された(第2図)。下層への溶脱の徴候は明らかでなかった。トウモロコシ栽培の後、最近6年間はアトラジンを使用しだいでコムギを栽培してきたF-12圃場で、発芽後コムギの生育が悪くたるという現象が観察されてきたが、深さ0〜50cmのどの土壌層からも検出限界0.001 ppmを超えるアトラジンは検出されたかった(第4表)。この分析において、アトラジンとともに、アラクロールとブタクロールを同時に測定してきたが、とくに問題となる検出量は認められたかった。
- 日本雑草学会の論文
- 1987-10-30
著者
-
山田 忠男
農水省農業環境技術研究所
-
山田 忠男
農業環境技研
-
KRASAESINDHU Prateep
タイ農業局
-
MANEECHOTE Chanya
タイ農業局
-
CHAIYAMART Khempetch
タイ農業局
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