In vitroおよびin vivoにおける組換えウシ型顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子のウシ好中球殺菌機能に及ぼす効果(短報)
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概要
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バキュロウイスル発現系を用いて作製した組換えウシ型顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(rboGM-CSF)ウシ好中球殺菌機能に及ぼす効果についてin vitroおよびin vivoの両条件下で検討した.In vitro試験では,11頭のホルスタイン種搾乳牛(2∼6歳)の末梢血から分離した好中球にrboGM-CSFを最終濃度0.005,0.05および0.5μg/mlになるように添加し,無添加の好中球を対照として37℃,5%CO_2下で培養し,培養開始直後,3,6および9時間後に好中球の化学発光能を測定した.好中球化学発光能最大値は,rboGM-CSF0.5および0.05μg/ml添加区では培養開始直後から9時間後まで,0.005μg/ml添加区では培養開始直後にのみ対照区と比較して有意(P<0.05)に高い値を示した.In vivo試験では11頭のホルスタイン種搾乳牛(2∼5歳)を4,3および4頭の3群に分け,それぞれにrboGM-CSF5.0,2.5mg/kgおよびプラセボを1回,頚部皮下に投与し,投与直前,投与6,12,24時間後,2,3および7日後に末梢血好中球NBT還元能,総白血球および体温を測定した.5.0μg/kg投与群では,好中球NBT還元能は投与24時間後に対照群と比較して有意(P<0.05)に高い値を示した.5.0および2.5μg/kg投与群では投与6時間後に一過性の白血球数減少および体温上昇が認められた.以上の成績から,本試験で用いたrboGM-CSFはin vitroおよびin vivoの両条件下でウシ好中球殺菌機能増強効果を有することが確認された.
- 社団法人日本獣医学会の論文
著者
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横溝 祐一
農林水産省家畜衛生試験場
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森 清一
北海道立新得畜産試験場
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犬丸 茂樹
農林水産省家畜衛生試験場製剤研究部
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犬丸 茂樹
(独)農業技術研究機構 動物衛生研究所
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平井 綱雄
北海道立新得畜産試験場
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草刈 直仁
北海道立新得畜産試験場
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犬丸 茂樹
(独)農研機構動物衛生研究所次世代製剤開発チーム
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及川 学
北海道立新得畜産試験場
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犬丸 茂樹
農林水産省家畜衛生試験場
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