ミトコンドリアDNA•RFLPの細胞質マーカーとしての有効性
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概要
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ミトコンドリァDNAは細胞質のミトコンドリア内に存在する核外DNAである.ミトコンドリアDNAの制限酵素切断型多型(RFLP)を,細胞質マーカーとして利用できるかどうか検討した.まずC57 BL/6(B6)マウスのミトコンドリアDNAを制限酵素SacIで直鎖状にし,ラムダファージに組み込んで完全長のクローンを得た.そしてこれをプローブとしてサザンブロットハイブリダイゼーションを行ない,マウスのミトコンドリアDNA多型の検出を試みた.B6およびRR系統マウスの各組織から抽出したDNAを用いたところ,いずれの試料からもミトコンドリアDNA由来のバンドが検出でき,B6とRR系統マウスとの間で期待されたRFLPが観察された.しかし,抽出されたDNA量当りのミトコンドリアDNA量は組織ごとに異なっていた.また,凍結保存したB6とRR系統間のキメラマウスの組織より抽出したDNAを用いたところ,両者のパターンが検出され,キメラであることが判定できた.以上の結果から,ミトコンドリアDNAのRFLPが細胞質マーカーとなりえること,ミトコンドリアDNAクローンがRFLPの検出やキメラ判定のプローブとして有効であることが明らかになった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
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武田 久美子
農林水産省畜産試験場
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大西 彰
農林水産省畜産試験場
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犬丸 茂樹
農林水産省家畜衛生試験場製剤研究部
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犬丸 茂樹
農林水産省家畜衛生試験場
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三上 仁志
農林水産省畜産試験場
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武田 久美子
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 畜産草地研究所
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