持続感染牛におけるBabesia ovataの抗原性および遺伝性状の多様性
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概要
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北海道奥尻島の放牧牛から複数のBabesia ovata株を分離し, それらの抗原性ならびに遺伝性状の多様性について調べた.原虫分離には, ウシ赤血球置き換えSCIDマウスを用いることが非常に有効であった.一牛群の別個体かた分離した4株の原虫について, 抗B.ovata血清を用いたイムノブロットおよび小サブユニットリボゾームRNA遺伝子に対するプローブを用いたサザンブロッドを行った結果, これらの解析で観察されるバンドのパターンは各分離原虫株間で明らかに異なっていた.一方, 我々は媒介ダニのいない冬期を含む9カ月間に一頭の成牛から5回の原虫分離を行うことができたが, これらの分離株にはイムノブトッドおよびサザンブロッド解析で違いが見られた.しかし, 特異免疫応答を欠いたウシ赤血球置き換えSCIDマウスの内で増殖させた原虫では, 継代を繰り返したにもかかわらず, イムノブロットおよびサザンブロット解析での変化は見られなかった.以上の結果から, 一牛群内の個体に抗原性および遺伝性状の異なる多様なB.ovataが感染していること, および, 一個体中にも多様な原虫が存在し, それらがポピュレーション変化を伴いながら持続感染していることが判明した.
- 社団法人日本獣医学会の論文
著者
-
中田 健
酪農学園大学獣医学部獣医学科衛生環境教育群ハードヘルス学ユニット
-
新井 智
国立感染症研究所感染症情報センター
-
辻 正義
酪農学園大学獣医学部
-
新井 智
感染症研
-
辻 正義
酪農学園大学
-
石原 智明
酪農学園大学獣医学部
-
石原 智明
酪農学園大学
-
新井 智
酪農学園大学獣医学部
-
金 三柱
酪農学園大学獣医学部
-
桐沢 力雄
酪農学園大学獣医学部
-
大田 方人
農林水産省家畜衛生試験場生体防御研究部
-
荒井 節夫
北里大学 獣医学部獣医病理学研究室
-
桐沢 力雄
酪農学園大
-
桐沢 力雄
酪農学園大学 獣医解剖
-
桐沢 力雄
酪農学園大学微生物学教室
-
新井 智
酪農学園大学獣医学専攻博士課程
-
Kim S‐j
Seoul National Univ. Suwon Kor
-
金 三柱
酪農学園大学獣医学専攻博士課程
-
Ohta Masato
National Institute Of Animal Health
-
Ishihara C
Rakuno Gakuen Univ. Ebetsu
-
Ishihara Chiaki
School Of Veterinary Medicine Rakuno Gakuen University
-
Ishihara Chiaki
School Of Veterinary Medicine Rakuno-gakuen University
-
Ishihara Chiaki
Akishima Laboratory Mitsui Engineering & Shipbuilding Co. Ltd.
-
Chiaki Ishihara
School Of Veterinary Medicine Rakuno Gakuen University
-
Tsuji M
Rakuno‐gakuen Univ. Ebetsu Jpn
-
中田 健
酪農学園大 獣医
-
中田 健
酪農学園大学獣医学部
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