牛肝膿瘍慢性化診指標としての血漿プロリダーゼ活性
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概要
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Fusobacterium necrophorum (F. necrophorum)接種による肝膿瘍発症実験牛8頭と野外発症牛18頭を用い,肝膿瘍慢性化診指標としての血漿プロリダーゼの有用性を検討した.剖検時に膿瘍が存在した4頭の実験牛のうち3頭のプロリダーゼ活性は,菌接種後40日で増加しはじめ,90日まで高活性を持続した.またシアル酸濃度は菌接種後7日から10日にかけて増加しはじめ,50日後には徐々に正常値に戻りはじめた.他の1頭は実験初期には他の3頭と同様の変動を示したが,70日以後プロリダーゼ活性は急激に低下した.しかし,シアル酸は90日まで高濃度を継続した.解剖時瘢痕形成だけが認められ膿瘍が認められない2例では,プロリダーゼ活性は接種後40〜55にかけて高値を示し死菌接種対照群ではいずれもほぼプラトー状態で推移した.野外の肝膿瘍発症牛でシアル酸濃度が増加していたものでは,プロリダーゼ活性は正常値範囲であった.しかし,シアル酸が正常値を示した発症牛ではプロリダーゼ活性は上昇していた.
- 1989-02-15
著者
-
元井 葭子
農林水産省家畜衛生試験場
-
竹内 正太郎
家畜衛生試験場北陸支場
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元井 葭子
家畜衛生試験場
-
宮本 亨
家畜衛生試験場総合診断研究部
-
長沢 成吉
家畜衛生試験場総合診断研究部
-
新林 恒一
家畜衛生試験場飼料安全研究部
-
新林 恒一
家畜衛生試験場
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