肝臓障害牛に対するイソプロチオラン投与の影響
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概要
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四塩化炭素で誘起させた肝障害牛にイソプロチオランを量を変え連続投与し,血中の化学成分,酵素活性および肝ミクロソーム機能に及ぼす影響を調べた.一時的に赤血球数の減少,白血球数の増加などが見られたが,実験期間を通じて大きな変動はなかった.四塩化炭素注射後,血しよう中の総脂質,リン脂質および中性脂肪含量は,50mgおよび100mg/kg体重のイソプロチオランを投与したものが,無投与のものに比べ高値で推移した.他方,50mgおよび100mg体重のイソプロチオラン投与は,肝中の蛋白質含量を増加させる傾向をもたらし,四塩化炭素によるGOT,Arginine,γ-GPTおよびICDH活性の上昇を著しく抑制した.肝ミクロソームの脱メチル化酵素および水酸化酵素活性は,イソプロチオラン投与によって誘導されるという傾向は見られなかった.これに対してP-450およびチトクロームb_5は誘導され,50mgおよび100mg/kg体重のイソプロチオラン投与のものでは,無投与のものに比べ2倍前後増加した.またミクロソームの脂肪酸組成においても,イソプロチオラン投与のものがオレイン酸,リノール酸,アラキドン酸などの不飽和脂肪酸の割合が高かった.
- 1989-04-15
著者
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元井 葭子
農林水産省家畜衛生試験場
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元井 葭子
家畜衛生試験場
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山中 晴道
農林水産省草地試験場
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長沢 成吉
家畜衛生試験場総合診断研究部
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山中 晴道
家畜衛生試験場総合診断研究部
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石川 俊幸
家畜衛生試験場総合診断研究部
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滝沢 隆安
家畜衛生試験場総合診断研究部
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