キジ(phasianus colchicus)における家禽コレラの発生
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概要
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キジ(green pheasant) 450羽を飼育する埼玉県下の某養雉場で, 1群150羽のうち28羽(19%)が1984年2月に急性経過で死亡した。死亡例の主要臓器からPasteurella multocidaが純粋に分離され, その血清型はCarterの莢膜型A, Heddlestonの3型, 波岡の8, 9:A型と同定された。病理解剖においては, 肉眼的に肝臓と脾臓に多数の小黄白色斑が, 小腸に出血が認められた。組織学的には, 肝臓と脾臓で多数の壊死巣と菌塊がみられ, 偽好酸球を主体とする軽度の細胞浸潤が認められた。菌塊は心臓と肺にも認められた。小腸ではうっ血と菌栓塞が認められた。以上の所見から, 本感染症はわが国土着の鳥であるキジでは初めての家禽コレラと診断された。
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1986-08-15
著者
-
桜井 健一
埼玉県大宮家畜保健衛生所
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松岡 俊和
埼玉県大宮家畜保健衛生所
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飯島 雄二
埼玉県大宮家畜保健衛生所
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栗原 富男
埼玉県大宮家畜保健衛生所
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渡辺 文男
埼玉県大宮家畜保健衛生所
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小枝 鉄雄
農林水産省動物医薬品検査所
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沢田 拓士
農林水産省動物医薬品検査所
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松岡 俊和
埼玉県農大学校
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