豚の肺病変と分離Pasturella multocidaの血清型および皮膚壊死毒素産生能との関係
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概要
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1983年から1986年の間に, 長崎県下の豚の肝変化,膿瘍および胸膜炎の各肺炎病巣から分離されたPasteurella multocida計116株の血清型および皮膚壊死毒素(DNT)産生能を検査した. 莢膜血清型別の結果, 95株(81.9%)がA型で, 残り21株(18.1%)はD型であった. 膿瘍由来株にはA型およびD型がみられたが, 肝変化および胸膜炎由来株はすべてA型であった. 菌体血清型別では, 多くの株(94.0%)が3型血清と反応した. DNT産生能は21株(18.1%)に認められ, これらはすべて膿瘍由来株であった. また, これらの血清型はD:3が13株(61.9%), A:3・4が3株(14.3%), D:11が2株(9.5%)およびD:3・7, D:3・4・7・12, D:7・12が各1株(4.8%)であった. 以上の成績より, 豚の肺炎病巣から分離されるP. multocidaの莢膜血清型は菌が由来する病変の型により異なる傾向にあること, および肺からもDNT産生株が多数分離され, それらは膿瘍由来株であることがわかった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1988-12-15
著者
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