PHAに対するイヌリンパ球幼若化能のグルコース消費試験による測定
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概要
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グルコース消費試験を用い, イヌ末梢血リンパ球の phytohemagglutinin (PHA)に対する幼若化能を測定し, その応用性について検討した。本法の至適培養条件は以下に示すとおりであった: 1)培地はDM-160 (2mM L-glutamine, 25mM HEPES加)をpH 7.0に調整, 凍結保存, 溶媒は伝導度0.5με/cm以下のイオン交換水, 2)血清は不活化プール正常イヌ血清, 3)mitogen はPHA-P 20μg/ml (最終濃度), 4)細胞濃度は2×10^6/ml。5)培養時間はプレートを密閉, 38℃, 96時間。至適条件下での, 正常犬34頭における末梢血リンパ球のSR値は73.8±20.0%であった。ー方, マイトマイシンC処理リンパ球のSR値は9.7士6.0%で, 未処理リンパ球の68.4±24.2%に対して幼若化は有意に抑制された。また, 6頭の肺葉切除例におけるSR値は, 術前値49.7±29.9%, 術後値16.3±15.0%で有意の抑制があり, 術後リンパ球幼若化反応の低下が確認された。このように, 本法により in vitro および in vivo における幼若化能の低下を充分に検出でき, また, ethidium bromide 蛍光法による核酸合成能を指標とした方法とも高い相関(r=0.79)を示したことから, イヌリンパ球幼若化試験の新しい測定法としての有用性が確認された。
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1986-02-15
著者
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黒川 和雄
日本獣医畜産大学 第1外科学教室
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中西 章男
阿佐谷ペットクリニック
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中西 章男
日本獣医畜産大学獣医第一外科学教室
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江島 博康
日本獣医畜産大学獣医外科学教室
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相見 和宏
日本獣医畜産大学獣医第一外科学教室
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黒川 和雄
日本獣医畜産大学獣医第一外科学教室
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江島 博康
日本獣医畜産大学獣医畜産学部
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江島 博康
日本獣医畜産大 獣医畜産
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江島 博康
日本獣医畜産大学 獣医臨床繁殖学教室
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