チュウザンウイルスの赤血球凝集性と赤血球凝集抑制反応
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概要
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チュウザンウイルスは牛を含む種々の動物の赤血球を凝集した. 牛赤血球を用いて検査した結果, その凝集性 (HA) は希釈液の塩類濃度に依存し, 0.6モルの時に最も強く現れた. しかし, 希釈液のpHと反応温度の影響は受けなかった. 異なった地域の2頭の牛から分離された2株のウイルスとヌカカから分離された1株のウイルスのHAを比較したが, 株間の差は認められなかった. チュウザンウイルスに感染した牛は高力価のHA抑制 (HI) 抗体を産生した. このHI抗体価は中和抗体 (NT) 価と平行して推移した. HI抗体価とNT抗体価の相関は非常に高く, これらの結果, 牛のチュウザンウイルス感染の診断や抗体調査は, 中和試験のみならず, より簡単なHI試験により実施可能な事が明らかとなった.
- 社団法人日本獣医学会の論文
- 1991-02-15
著者
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甲野 雄次
農林水産省家畜衛生試験場海外病研究部
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甲野 雄次
農林水産省家畜衛生試験場
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三浦 康男
農林水産省家畜衛生試験場海外病研究部
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三浦 康男
農林水産省家畜衛生試験場
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後藤 義之
(独)農業技術研究機構動物衛生研究所
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後藤 義之
農林水産省家畜衛生試験場九州支場
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三浦 康男
農林水産省北海道農業試験場
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